企業が国際的な人材を獲得する方法は変革期を迎えており、それはこれまでの困難を軽減するものになるはずです。
企業が海外から従業員を雇用する場合、雇用主がスポンサーとなるビザが最初に利用されることが多いのですが、多くの国で利用できるビザが限られていることは有名な話です。 近い将来、雇用の選択肢にから外れてしまうこともありえます。 例えば 米国移民局(USCIS)は、2023年末までのH-1B抽選の上限人数に既に達していることを発表しました。
また雇用主は外国人労働者の雇用を特定の分野のみに限定したり、現地の労働力では必要なスキルが見つからないことを証明するために、さまざまな手続きを踏まなければならないことが多いのです。 一方、ビザ取得希望者には長い「やるべきこと」リストがあり、スポンサーとなる従業員には、入国後に膨大な書類を整備する必要があるのが一般的です。
このような理由から、雇用主がスポンサーとなるビザは、国際的な雇用には困難であり、実現不可能であるという見方が強まっています。 多くのビジネスリーダーは 雇用者負担のビザは “最悪 “ と言っています。これらの課題を回避し、煩雑な手続きを減らすために、多くの企業は国際的な人材を活用するために以下のような代替手段を選んでいます。
海外進出
企業が従業員のスポンサーとなる代わりに、海外に法人を設立して新たな人材を確保することがあります。 これには、支店から会社、個人事業主、パートナーシップなど、さまざまな法人格が含まれる可能性があります。 法人格の種類は、対象地域の規制やビジネスの状況によって大きく異なります。
海外に法人を設立する場合、次のような様々な課題があります:
- 例えば、中国 のように、外国人の所有権や投資に制限を設けている国も少なくありません。 外国人がビジネスを完全に所有することは制限され、代わりに現地のパートナーを雇用するか、現地の代表者を任命しなければなりません。
- 世界銀行グループの世界銀行のデータによると、会社設立に6ヶ月以上かかる国もあるようです。また通常、多くの事務処理が必要になります。
- この手続きには初期投資や管理費など、 高額なスタートアップコストがかかる場合が多くあります。
- その国で新たに 法人税を負担することになります。
- 会社は現地の労働法および規制に責任を負います。つまり、社内の人事チームは、給与負担や税制、福利厚生に関する新しい枠組みを学ぶ必要に迫られることになります。
- 国際的な事業活動、特に採用活動は、言語と文化の壁によって妨げられることがあります。
個人事業主の従事
企業によっては、正社員として雇用するよりも、独立した個人事業主(IC)を雇用することを検討する場合もあります。 これは、企業が特定のサービスを必要とし、必要な専門知識を持つプロフェッショナルを利用できる場合に有効な方法です。
通常、個人事業主(IC)はプロジェクトまたは一連の成果物の完成後に報酬が支払われます。 また、リテイナーを設け、期間に応じて会社が個人事業主(IC)に支払う場合もあり、通常は月払いです。
適切な主従関係を維持するために、企業は個人事業主(IC)と契約する際に一定の条件を守らなければなりません。 これらの基準は、 国によって異なりますしかし、一般的な経験則では、企業(クライアント)が仕事の結果のみを管理または指示する権利を持っている場合、個人は個人事業主(IC)であり、何が行われるか、どのように行われるかは関係ありません。
企業が個人事業主(IC)を雇用する際には、以下のようないくつかの考慮すべき点があります:
- 従業員であるべき労働者を個人事業主(IC)として誤分類した場合、重大な罰金や理論的には懲役刑に処させる可能性もあります。
- 個人事業主(IC)と関わることで、企業の 知的財産権(IP)盗難のリスク知的財産権(IP)盗難のリスクを高めるが高まります。
- 個人事業主(IC)をめぐる規制は進化する可能性があります。 例えば、 英国における個人事業主(IC)の従事に関する規則は2021年に変更されました。
- 誤って分類された個人事業主(IC)を雇用すると、IPOや合併、買収などの企業間取引を遅らせたり、危険にさらす可能性があります。
- 個人事業主との契約は、別の法域で「恒久的施設」(Permanent Establishment)と呼ばれる追加の税金や法的責任が伴うステータスが発生する可能性があります。
- 人事業主(IC)を雇用する企業は、定期的に再特定化のリスクを評価し、適切な主従関係を維持していることを確認する必要があります。
EORを利用した採用
上記の2つの選択肢は、雇用主がスポンサーとなるビザの問題を回避できる一方で、一連の税金と法的責任を伴い、将来的に大きな問題となる可能性があります。
しかし、一部の企業にとってEORを利用した雇用は、外国人人材を迅速かつコンプライアンスに則って活用できるソリューションとなります。
この取り決めの一環として、EORは雇用企業に代わって、国内の合法的な事業体を通じて合法的に労働者を雇用します。 そして、EORは給与の管理、法定給付の履行、国内での税金の申告などの責任を負います。 税金や給与負担金などの経費は、ソリューションサービス料金の一部としてクライアントに還元されます。
ある国で事業を展開したり、多くの従業員を維持することを計画している企業にとって、法人を設立することは、適切な解決策となる場合があります。 またこのような場合、EORを通じた雇用は、会社が完全に操業するまでの暫定的なソリューションとして機能することがあります。
企業は、世界中の採用ニーズに対して単一のEORと連携することで、スピード、敏捷性、一括請負採用が可能になります。 そのため、大手グローバル企業では、雇用主がスポンサーとなるビザをやめ、EOR雇用手法をグローバル人材戦略の中核に据えようとしています。
コンプライアンスリスクの軽減 | 知的財産の盗難の低減 | 国際的な税負担の軽減 | 迅速な採用活動とシームレスな人事管理 | |
雇用主がスポンサーとなるビザ | ❌ | ✔️ | ✔️ | ❌ |
事業体の設立 | ❌ | ✔️ | ❌ | ❌ |
個人事業主(IC) の従事 | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ |
EOR(Employer of Record)を通じての採用について | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
GoGlobalが提供するEORサービスの詳細については EORとは?をご覧ください。また、お問い合わせよりご連絡いただければ、国際的な人事専門家が、EORソリューションが御社の国際的な人材プールの活用にどのように役立つかをご説明いたします。